2017年10月20日

介護事故

埼玉県の市内にあるサービス付き高齢者住宅で先月、入居者の高齢女性(80)が誤って別の入居者用の薬を職員から投与された後、意識不明の重体になり、病院に緊急搬送されたとの記事。

朝食の配膳時に、担当した職員が他の入居者に出すはずの薬(降圧剤!?)をその被害に遭った女性に与薬。

その後、その入居者は呼び掛けに反応せず、血圧も低下、119番へ通報し救急隊が到着した際には女性はすでに意識はなく、そのまま救急搬送されたという。
しかし、その事業者は搬入先病院から「投与された薬と容体との間に因果関係があるとは考えにくい」などと説明を受けているともしている。

服薬事故は多くの事業所で地味ですが発生しているはず。
入居者数が多ければ多いほど・・・

当施設においても、かつて服薬の手順・マニュアルはあっても、実際にはその通り意識して「行われていない」時期があった。

行政への事故報告の件数もたぶん服薬事故に関する案件が転倒事故よりも多い市町村もあるはず・・・


朝の時間は特に危険で、職員数も少ない事からマニュアルの大切さを理解しつつも、手順を省き、「早く」業務を行う事を優先し、「安全」を二次的に捉え業務を行いがち。


手順を省くと、事故が起きない事が逆に「異常」であり、「奇跡」。
事故が起きない事は、まさに、「たまたま」の事。


このニュースの場合、詳細はわからないので推測ですが、
サ高住である事から、マンツーマンで与薬するのではなく、入居者にある程度お任せする状況であったのかも。

例えば、お膳に食事と一緒に運び、各自で食後に服薬したか、または、食事中・後に、職員が複数名に一斉に配り与薬していたか・・・

ある程度元気な入居者という事と、少人数の人員配置ということで、ダブルチェックを行われていなかったのか・・・

当施設の場合、予薬時には、職員同士で名前、日にち等を読み上げダブルチェックし、入居者の前でも再度ご本人にも確認してもらう為、声に出しチェックを行っている。

以前は、声にも出さず、ついつい慣れで、機械的に与薬するという状況でしたが、各職員が意識を変え、マニュアルを徹底する事で事故件数は減少。
職員は、かつての反省から非常に努力に努力を重ねてきた。

介護現場で多いのが、入居者の口の中からポロリと床に落ち、後に発見されるといった事故も。
事業所によっては、この事故はヒヤリと位置付けるケースがあるらしい。
これは事故に対するがんが得方の違いか。


さて、今回の事例は他人の薬を服用し、それが原因ですぐに反応したかどうかは不明ですが、
低血圧傾向の方に、降圧剤を誤薬してしまうと大変なことにはなります。

看護師が、看護師として徹底した教育を受けてきたバックボーンと違い、介護職員は命を守る事に関する意識が以外に低い傾向。

話は逸れるが、看取りに関する某アンケートによると「看取り」を阻害する要因の多くに介護職員が起因していることが言われている。
命に対し「臆病」であり、医療機関に依存。
「こんな状態なら、入院した方が良い・・・本人がかわいそう・・・」
等との声が多数を占め、あたかも本人を思っての意見に見えて、それら結果的には浅い視点によって見取りが介護現場に浸透しない事があるという。
何かしてあげたいという、良心的で積極的な思いが「治療」を求め、苦しむ方への緩和、受容といった現実の受け入れの観点が希薄になりやすいとの事。


「死」と向き合う経験値が、看護師とは比較にならないくらい少ないのは仕方がない。
だからこそ、命に関わる介護支援は、慎重に行うべきであるにも関わらず、ダブルチェックを怠ったり、マニュアルを無視したりしては絶対にしてはならない。

転倒、転落に対しても、多くの特養の場合、転倒後の対応は介護職員が関わらない事が多く、分業されている。病院に搬送することも、そこでの医師とのやり取り、家族とのやりとり等の機会が少ないため、
「事故が起きた」事は認識しても、その重大性について、それらが「死」に近づかせてしまう原因となり得る事の可能性に対する意識が希薄になりがちだと言われている。

これらを改善するためには教育が大切であろう。
職員を嘆いていても、入居者や家族は喜ばないし、「それなら仕方ないですね」等とは言ってはくれない。

話がとっ散らかってしまいましたが、

マニュアルを「しっかりやっている」と思い込まず、誤薬があるかも・・・と思いながら念には念を入れて服薬支援を行う事の方がいろんな面でメリットがあるという話で最後終わります。

大事な「何か」を省く事によって、結局間違って、入居者に被害を与えるだけではなく、職員も仕事終わりに事故報告書を遅くまで残って入力して、心身疲れた状況で家路につく・・・。コンビニ行ってアルコール買って、忘却を試みるも、そんなにそんな忘れられるものではない・・・家に帰っても入居者の顔がちらつく・・・

介護職員は誰もが就くことはできても、継続できるかはその人による・・・事だけでもなく、適切な仕組み、組織の中で働くか否かにもかかっていると言える。

組織をしっかりと作る事が、職員を成長させるか否かにもかかり、入居者の生活や生命にもかかってくる、といえるだろう。

自戒。

posted by 管理者 at 22:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする