1月7日に札幌市北区で、74歳の男が自宅で娘を刃物で刺した殺人未遂の疑いで逮捕されたとのニュース。
父娘は二人で心中しようと話し合い刺しあったとの事。
47歳の娘の背中を刃物で何度も刺し、自らも上半身に刺し傷があるという。
年末の30日にも岩見沢市に住む48歳の娘が、70歳の母親のい首を絞めて殺害した疑いとのニュース記事。
首には「ひものようなもの」で絞められた痕が残っており、死因は窒息死。
昨年の11月には妻の遺体を三笠市の山中に遺棄した事件で、妻を殺害したとの事で本日再逮捕のニュース。
この事件も、「ひものようなもの」で首を絞めこれまた窒息死。
最近は北海道、とりわけ札幌市内近郊での事件が多い気がする。
そして家族内での殺人。
年齢が近いのでついつい自分に置き換えてニュースを観てしまいます。
日頃から家族同士仲良くやっていかなければと・・・・
事件と全く関係がありませんが、同じように思い出してしまった事として、少し不謹慎かもしれませんが、
立川志の輔さんの新作落語の事。
事件とは関係が無く、本当にどうでもよい話なんですが・・・
普段通勤時に落語を聞いている私。
事件のニュースなどでしばし表現される「◯◯ようなもの」という言葉。
志の輔さんの落語に
「バールのようなもの」というお話があります。
『犯人はバールのようなもので金庫をこじ開け、現金を奪って逃走した』とのニュースがあったりしますが、
バールのようでバールではない、それに似たもの・・・という表現。
バール≠バールのようなもの 、決してバールとは断言できない。
この「◯◯のようなもの」との表現が気になるところ。
前述の「ひものようなもの」についても、決して「ひも」とは断言されていません。決して「ひも」ではないのです。
落語では、妻子持ちの男が、近所の物知りのご隠居のところへ行き、
ニュースなどでの表現で言うところの「バールのようなもの」ってのは何か?を尋ねるところから。
ご隠居さんは、誰も見てないんだから「バールのようなもの」と言ってるんだと言い、
男は「バールのようなもの」が必ずしもバールではないという事をご隠居さんから教えてもらうのです。
そうか「女のような」は女じゃない。
「夢のような」は夢じゃない。
「ハワイのような」はハワイじゃない。
「◯◯のような」との表現は決して、そのモノであるとは断定されるものではない
=(イコール)ではない、という事をご隠居さんより学ぶのです。
そしてその学んだことを活かそうとするが、奥さんに対しての言い訳、釈明でうまくいかないという話の落語。
御隠居さんの家から自宅に着くと奥さんが浮気を疑い、血相を変えて怒っています。
奥さん「あんた!今までどこほっつき歩いていたんだい!女のところに行ってきたね。妾(めかけ)のところに!」
男「ち、ち、違う何を言ってるんだよ!ご隠居の所に気になった事を聞きに行ってたんだ」
と奥さんに事実を弁解します。決して浮気などしていないご主人。
しかし奥さんは全く聞く耳を持たず、「妾のところに行ってきたんだろう!」と疑いを持ち問い詰めようとします。
何度も押問答となる事から、男はご隠居から学んだ事を実践するのです。
「あれは妾じゃない。妾のようなものだ」と言い奥さんを納得させようとするのですが、
更に奥さんの逆鱗に触れるという話。
この話は、よくできている、と感心させられます。
まさに、そう。「妾ではない、妾のようなものだ」と奥さんに言い放っても「妾ではない」などとは思ってもらえません。
他の「◯◯のようなもの」の例を出して、奥さんを説得するのですがうまくいかないのです。
前述の「女のようなもの」は決して、「女ではない」が、
「妾のようなもの」は、どう考えても「妾」となってしまう。
「鶏肉のような味」は「鶏肉」ではない。
「ような」との表現はケースによって違いが出てくる。
この落語を聞い以降、ニュース番組などで「◯◯のようなもの」との表現があった場合、気になりだし、
ついつい落語の話を思い出してしまうという今日この頃・・・
日本語は難しく、奥が深い・・・
ただ、本当にどうでもよい話です・・・
被害に遭われた方に対しては不謹慎な発想お詫びいたします・・・